子どもの健康を左右する…子どものメタボと生活習慣

中高年の病気と思われがちですが、実は子どもの間にも広がっているメタボリック・シンドローム(以下、メタボ)。
早くから動脈硬化が進み、大人より危険といわれています。子どもの将来の健康状態を左右するメタボ、防ぐ手立てはあるのでしょうか?

「うちの子はちょっと肥満かも」「学校の身体検査で肥満と言われた」というかたは、まずはいちばん多い原因である食生活、運動不足、生活習慣をチェックしてみましょう。

うちの子、大丈夫?! 子どもの将来のメタボ度診断

子どものメタボと肥満は生活習慣が原因?!

子どもの肥満、もちろん遺伝や体質が原因のこともありますが…
食生活や運動不足、生活習慣などの要因が加わることで、肥満、ひいては、メタボになる可能性が高まります。

子どものメタボは、30、40代で心臓病や脳卒中などの生活習慣病につながる可能性があります。
まずは、以下の3つの生活習慣を振り返ってみましょう!

食生活

人間は、甘いものや脂肪分が多いものを好む傾向があります。ですから、ファストフードや清涼飲料水がいつでも手に入る環境にあれば、子どもがメタボになってしまうのは当たり前。

運動習慣/日々の活動量

食べた分のカロリーをしっかり動いて消費できるといいのですが、室内でずっとゲームをしていたり、TVなどを見ていては、カロリー消費はできません。子どもが動くように積極的に促して!

睡眠不足

実は、睡眠不足も肥満の原因になると言われています。
睡眠不足は、代謝ホルモンのバランスを崩したり、疲れやすくなることで、運動不足を招き、それが肥満につながります。また子どもの睡眠不足は成長ホルモンの分泌にも関係しており、子どもの身長の伸びが悪くなることもあるとか。
塾通いや、親の生活スタイルに合わせた生活をすることで睡眠不足の子どもが多くなっている現在、健やかな成長のためにも睡眠はしっかりとるように心がけてあげたいですね。

<STOP!子どものメタボ>
のためにできること①
バランスのよい食生活を心がけて!

成長期の子どもにバランスのとれた栄養は欠かせません。バターやマヨネーズなどは、つけすぎないようにするなど、
エネルギーを過剰に摂取しないように気をつけたいもの。 魚・肉・卵・豆腐などのたんぱく質を偏りなく食べて、
たっぷりの野菜でビタミンやミネラルを補いましょう。

食習慣食事を楽しみましょう!
  • ・ 3食きちんと食べる。できれば、家族と一緒に。
  • ・ 特に朝ごはんは大切に。食欲がないときには、バナナ1本でも!
  • ・ 清涼飲料水ではなく、水やお茶を飲む。
  • ・ 旬のものや、地域のものを取り入れるようにする。

※休日には、親子で買い物に行ったり、料理したり…を楽しんで!

食事内容体と心においしいごはんを!
  • ・ 主食、副菜、主菜をバランスよく
  • ・ 食物繊維は積極的に摂りましょう
  • ・ 牛乳や乳製品、果物も忘れずに

※おやつ(菓子やジュース)は一日200kcal以内を目安に!

<おやつ:200kcal>って、
どのくらい?

せんべい:3~4枚、どらやき:1個、
ポテトチップス:1/2袋、ショートケーキ:小1個、
甘い飲み物:コップ2杯程度、
アイスクリーム:小1個

<STOP!子どものメタボ>
のためにできること②
一日1時間は体を動かそう!

子どもの運動量とメタボには密接な関係があります。文部科学省の調査(2010<平成22>年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果)によれば、1週間の運動量総計が1時間に満たない子どもの割合は、小学生男子で10.5%、女子で24.2%、中学生男子で9.3%、女子で31.1%とかなり多くなっています。

運動不足だと夜なかなか眠くならず、夜型になりがち。すると、常に体がだるいといった不定愁訴の状態に陥り、ますます運動量が減ってしまいます。

このような状況を受け、日本体育協会は文部科学省の委託により、子どもの身体活動のガイドライン「アクティブ・チャイルド・プログラム」をつくりました。その方針は…「1日最低60分、体を動かそう」というシンプルなもの。定期的な運動以外でも、外遊び、散歩、お手伝い…など、日々の生活の中でできることでも大丈夫。

ときには大人も一緒になって、外遊びやスポーツを楽しんで、ゲームやテレビは1日2時間以内にとどめましょう!

メタボが疑われる場合は…

お腹周りに肉がついてきた、首筋が黒んできた(糖尿病予備軍に見られる症状)などの兆候
がある場合は、できるだけ早く病院で診断を受けましょう。

肥満ぎみの子どもは、友達にからかわれるなど、大きなストレスを感じている場合も多いので、
「太りすぎでしょ」などのマイナスの表現はNGです。「お医者さんに行けば、もっと調子が良
くなるよ」など、子どもを傷つけない声のかけかたを工夫してください。