むし歯にならない生活習慣
なぜ、むし歯になるのか知っていますか?
「口の中にむし歯をつくる虫がいる」と思っている人はいないと思いますが、むし歯について、正しく知っていますか?
いわゆる「むし歯菌」は、歯垢の中にいる細菌(「ミュータンス菌」等)のこと。
このミュータンス菌は、食べ物や飲み物に含まれる糖分が大好き。
砂糖などの甘いものや糖分が含まれたものを食べたり飲んだりすると、この菌が増えて酸を作り、歯を溶かして、やがてむし歯になってしまうのです。


歯を溶かすのは、むし歯菌が作り出す酸。
むし歯菌が食べ物から糖分を取り込み、ネバネバ物質を出して歯垢をつくる。
歯垢の中にいるむし歯菌が酸を発生させる。
エナメル質が酸の攻撃を受けて歯が溶けて、むし歯になる。
むし歯になる3つの原因
むし歯の原因には「細菌(ミュータンス菌)」「歯の質」「糖質」の「3つの要素」があります。この3つの要素が重なると、時間の経過とともにむし歯が発生します。


ミュータンス菌
- ●甘いものや糖分が大好物
- ●菌が増殖して酸を出す
- ●歯が溶けてむし歯になる


ミュータンス菌はほとんどの人の口の中にいますが、歯みがき等の毎日のケアで増やさないようにしたり、酸をつくりにくい生活習慣を心がけることで、むし歯は十分に予防できるのです。
年代ごとのむし歯の注意ポイント
幼児期(乳歯列期)
- ●乳歯は永久歯より小さくエナメル質と象牙質が薄いため、むし歯になると進行が早い
- ●上の前歯の歯と歯の間、奥歯の噛み合わせは、特にむし歯になりやすい
- ●乳歯のむし歯を放置すると、その後に生えてくる永久歯の歯質や歯並びに影響が出やすい
学童期
6歳くらいから永久歯への生えかわりが始まる
- ●生えたばかりの永久歯は、抵抗力が弱くむし歯になりやすい
- ●永久歯は生えてから5年ほどかけて完成していくので、早い時期からフッ素を活用するなど、積極的なむし歯予防が必要
成人期
大人の歯は治療した後の部分と歯の根のところに注意!
●治療した後の詰め物や、かぶせ物のまわりは菌がつきやすく、再度むし歯になる可能性が。気づいたときには意外に進行していることがあるので注意
●歯周病の進行や、誤った歯のみがき方などで、露出した歯の根の部分も歯垢が残りやすく、歯質もやわらかいので、ていねいにブラッシングを
むし歯にならない生活習慣
むし歯を予防するためには、食生活と正しい歯みがき習慣が重要なポイントです。
食事のときや、おやつを食べるときはよく噛んで
よくかんで食べるとだ液がたくさん出ます。だ液は酸性に傾いている口の中を中和してくれます。ブロッコリーなど緑黄色野菜や歯ごたえのある食べ物を積極的にとりましょう。


おやつの時間はしっかり決めて。ダラダラと食べ続けるのはNG
酸性になった口の中がだ液の働きで元に戻るには40分以上の時間が必要です。
おやつはきちんと時間を決めて食べるようにしましょう。


むし歯とおやつの関係
おやつにもむし歯になりやすいものとなりにくいものがあります。間食をするときには、甘いお菓子ばかりではなく、たまにはむし歯になりにくい食べ物を選んだり、飲み物との組み合わせを考えることが大切だよ!


むし歯になりにくいおやつ
口の中をさっと通り、長い間口の中に留まらない食べ物。
むし歯菌がむし歯のもととなる「酸」をつくれない食べ物。
むし歯になりにくい、歯にやさしい飲み物。
よくかんで食べるおやつ。

むし歯になりやすいおやつ
歯にくっつく、粘着性の強い食べ物。
むし歯菌がむし歯のもととなる「酸」をつくりやすい食べ物。
これらを頻繁に飲むとむし歯になりやすくなる。
口の中に留まりやすい食べ物や味を楽しむような食べ物。
むし歯を防ぐ「フッ素」の働き
現在、日本で発売されている歯みがき剤の約9割はフッ素入り。
フッ素は、魚介類や海藻類、お茶など、日本人に身近な食品にも多く含まれていて、歯や骨を作るために欠かせなかったり、むし歯予防にも効果的。
フッ素が多く含まれる食品


フッ素を配合した歯みがき剤の効果的な使い方
1年齢に応じた量の歯みがき剤をつける。大人の場合は1~2cmが適量。
2歯みがき剤を歯全体に広げ、2~3分間は歯をみがく。
3少ない量(大人は10~15ml)の水で、ブクブクと1回くらい口をすすぐ。